防湿シートは不必要か?
防湿シートは別名「防湿気密シート」とか「ベイパーバリア」とか言われてるもので、室内の湿気を壁内へ入らないようにする防湿層になります。素材はポリエチレン等のビニールシートになるんですが、実は新昭和の標準仕様にはこの防湿シートが使われていません。これは断熱材が発泡ウレタン吹付になってからのようですが、本当に必要ないのか色々調べてみました。まず透湿抵抗比から見てみます。フォームライトSLの透湿抵抗値は同社HPの省エネ等級4マニュアルから拾ってきて、その他の値はネットで信憑性の高そうなものを拾ってきました。千葉はⅣ地域なので外1:内2がクリア条件ですね。それぞれの透湿抵抗値です。
外側 透湿抵抗値(㎡・h・mmHg/g)
透湿防水シート 0.4
ノボパンSTPⅡ 7.4
合計 ( 7.8 )
内側
フォームライトSL130mm 23.0
石膏ボード 0.5
合計 ( 23.5 )
内側 23.5 / 外側 7.8 = 3.01
こうして見ると余裕でクリアしているので防湿シートがなくても問題なさそうです。発泡ウレタンの中でもフォームライトSLは透湿しやすいと言われますが、それでも繊維系断熱材にくらべれば何十倍も透湿しにくいです。実は壁紙も透湿抵抗が高いみたいで8㎡・h・mmHg/gぐらいあるそうです。基準値の計算上含むことが出来ないみたいですが、実際施工されてるものですね。壁紙を考慮したとすると尚更クリアしてることになると思います。
発泡ウレタン施工時の防湿シートの必要性は地域によって別れていて、北海道とかなら必要なんですが南関東では「やらなくてもOK」となっています。実はこれ、色々調べてきて分かってきたことなんですが「やらなくてもOK」というより「やらないほうがメリットあるかも」と思えてきたりもします。
そもそも透湿抵抗比だけでは結露リスクが見えにくいですね。Ⅳ地域1:2といっても透湿しやすい素材同士の比較と、透湿しにくい素材同士の比較では現実は違うものになるんじゃなかろうか・・と思えてきたりします。