たくさん悩んで新昭和

ウィザースホームで新築(2013年12月完成)しました。家づくりのことたくさん書いてます。

りっすんブログコンテスト2019の大賞に選ばれました

せっかくの機会なのでこの思い出も記事にしておこうと思います。前回ハレの日の備忘録を書いたばかりで恐縮なんですが、先月応募した20年前の迷いと決断が「りっすんブログコンテスト2019」の大賞に選ばれました。

突然メールが来て「大賞に選ばれたので20万円差し上げます。振込口座教えて」という内容で大賞ってなんだ?と思って確認したら、あの記事が1500件を超える投稿の中で1位なんだそう。マジで?あの内容が人に理解されたんだ・・思って心底ビビりました。

何よりも選考委員さんからのコメントに感動しました。これまで評価する人って嫌いだったんですよね。他人を評価しておいて自分には何が出来るんだ、いったい何を生む、みたいに斜に構えていたんですが、すみません。人から評価される立場になったことがないだけですね。完全にひねくれていました。今回のコメントが嬉しすぎるので、勝手にコメントし返してみます。

 

能町みね子さんからのコメント

「守られない世界への憧れ」は、比較的問題なく育ってきた人にとっては誰でも少しは思い当たることだと思います。どうしようもない状況から決断せざるをえなかったというわけではなく、それなりに恵まれた状況からあえて踏み切ったということに羨望すら感じました。

決断の大きなきっかけとなる、たまたまその日やりとりしただけのバイカーとの出会いの描写も、自動的に映像がイメージできてしまう鮮烈さで、全く異なる世界に魅力を感じる理由にも説得力がありました。

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最初に能町さんのコメントを読んで鳥肌が立ちました。あの文面のどこが評価されたんだろう?という疑問に全て的確に答えられています。そう入れ墨バイカーとの出会いが全てだったんです。友人にあれだけ説明しても伝わらないことが、生まれて初めて人に伝わった瞬間を噛みしめました。いやー嬉しかった。頑張って書いて本当に良かったです。

 

児玉雨子さんからのコメント

あらゆる誤解を恐れずに書けば、どうしても人間は「持てる者」と「持たざる者」に分けられます。そして、それでもすべてを投げうって「持てる者」が「持たざる者」(本文中だと「守られない側」)へ越境した、という体験談は他にもありました。

ではなぜこのブログが大賞に、と訊かれると論理的に答えるのは難しいです。ただ、バイク便の兄ちゃんの震える手が、筆者の受けた衝撃が、こちらの意識を掴んで離さなかったから……としか言いようがありません。肉迫してくる「守られない側」の描写がとても印象的でした。

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実は「持てる者」のほうが不利なんですよね。おそらく「持つまで」の間の経験だけしか意味を持たないというか、「持ちたい」と思って行動する勇気に意味があるように考えています。この辺の価値観が一般的な目線とは真逆になってるところに人生の妙味が隠されているんですが、これもバイク便に転身しないと気づけなかったことかもしれません。本文のバイク便兄ちゃんの震える手の表現は何度も書き直したポイントです。実は最後の最後まで納得出来なかった部分なんですが・・一番苦労した点を拾ってくれて本当に嬉しかったです。

 

山田ルイ53世さんからのコメント

「守られない世界」という一言で、自分の“一発屋芸人としての日々”が頭を過り、少々気が滅入りましたが、それはともかく。

ちばっし―さんが会社を辞め、転職に至った動機は、正直、誰もが納得できるものではないでしょう。一方で、万人に同意されるような身の振り方は、その時点でもう「決断」とは呼べないのかなとも思う。

周囲の雑音を断ち、己の感覚のみを頼りに決める……そんな風に解釈するなら、最も純度の高い「決断」をしたのは、ちばっし―さんなのではないか、そう感じました。面白かったです。

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もはや名文ですね。恐れ入りました。ルネッサーーンスは伊達じゃなかったw おそらくどんな人でも純度の高い決断を迫られているんだろうと思います。それが周囲の雑音によって濁っているというか、もはや雑音をねつ造している疑惑すらありますね。

自分がどのような手段で人の役に立てるか・・この純度さえ高ければ、その人は寝る時間を惜しむ人生になるんだろうと思います。山田ルイ53世さんこれからも応援しています。共に守られない側で頑張っていきましょう!

 

先日表彰されたときも嬉しかったんですが今回は特別ですね。これまで誰にも理解されたことのない人生の一場面を理解してもらえたこと。それを文章にしたら著名人から評価されたこと。これは宝物にしないといけませんね。

最初は家づくりのブログを書いていたんですが、いつしか自分を見つめ直すことが多くなっていったわけです。きっかけは周りとのズレですね。家づくりというのは途方もない誘惑との戦いです。最初に住宅展示場へ行くとハウスメーカーの営業マンから注射を打たれるんですが、中身は欲望増進剤という恐ろしいものなんです。自分自分を強く持たないと、打たれた瞬間にヘロヘロになって気が付いたらとんでもない多額なローンを契約していたりするわけです。

周りにヘロヘロ患者が多い中で、このブログでは「目を覚ませ!」「他人に惑わされるな!自分を持て!」と叫び続けていたら、なぜ自分はヘロヘロにならなかったんだろうと思い、そういえばだいぶ昔から自分はズレていたような気がすると思い始めたわけです。その謎も今回の選考委員さんからのコメントで初めて客観的に見ることが出来て、ようやくひも解けたように思います。

これで青山一丁目の交差点にまたひとつ思い出が加わりました。これまでは25歳までの人生に別れを告げたさみしい思い出が大きかったんですが、その内容を記事に出来たこととブログ大賞という花を添えてもらえたおかげで味わい深いものに変わりました。この思い出はこれからも大切にしていきます。本当にありがとうございました。