たくさん悩んで新昭和

ウィザースホームで新築(2013年12月完成)しました。家づくりのことたくさん書いてます。

防湿シートのデメリット

防湿シートのリスクについて色々調べてみたのでまとめてみます。「防湿シートを施工すれば結露しないからOK」とか「省エネ基準さえクリアしてればOK」みたいな考えに違和感を持って色々調べて、自分なりに腑に落ちたところをまとめているのでほどほどに見てやって下さい。

夏型結露(壁内結露リスク)
夏のむしむしした湿気は、クーラーで冷やされた室内へ動いてきますが、防湿シートがあると断熱材と防湿シートの間に湿気が集まってしまいます。一般的には冬型結露ほどの心配はいらないと言われていますが、気密性の高い躯体となると一旦入った湿気は放出しにくいと思います。

冬型結露(石膏ボードのカビリスク)
防湿シートの目的は湿気を「壁内へ侵入させない」ことなんですが、表現を変えると「せき止める」とも言えます。断熱材は守られるかもしれないけどビニールシートの表面にたくさん湿気が溜まらないの?とか思ってしまいます。一般的に冬の窓が結露するとびしょびしょになったりしますが、あれと同じようなことが防湿シート面で起こらないのか不安です。ある程度は石膏ボードで保水すると思いますが限度を超えたらどうなるの?とか、いずれ石膏ボードもボロボロになるのでは?という不安があります。
そもそもビニールシートが湿ったり乾いたりを何十年も繰り返し続けて、掃除もしないままで問題ないんだろうか・・と考えてしまいますね。これは耐久性の問題というより、カビとか汚染物質のほうが怖いというか、防湿シートへの負担があまりに大きいと思ってしまいます。

よく収納はカビやすいという話しを聞きます。原因は風通しが悪い事と、隣接する部屋との寒暖差からくるものですが、防湿シートで湿気をせき止めてる(石膏ボードに湿気が溜まりやすい)ことも原因のひとつでは?と思ってしまいます。なんだか壁の中のことを考えすぎて、一番大切な部屋の環境が無視されてるようにも見えるというか、これら全ては透湿抵抗比だけでは見えにくい部分のような気がします。しかしながら、発泡ウレタンやパーティクルボードや壁紙等の石油物質に囲まれた環境には変わりなく、あまり健康のことを言ってもしょうがいと言えばしょうがないんですが。

 

現場発泡ウレタン断熱の隠れたメリット
上記のリスクを回避出来るのが発泡ウレタン断熱ですね。施工するだけで気密が取れるのでビニール素材に頼らなくて済みます。この発泡ウレタン(JIS規格A種3区分)は連続気泡なので透湿しますが、グラスウールに比べればはるかに透湿しにくい素材です。この「ゆっくり透湿していく」特性を利用すれば、結露する前に乾いているほうへ放出されるだろうと思います。(防湿シートがあると湿気が一気に集まってしまうので、結露する前に放出する時間を稼げないかも)
湿気は夏は外から室内へ、冬は室内から外へ、いったん断熱材や構造用合板に滞留するかもしれませんが、乾いているほうへゆっくり移動していくいように思います。大事なことは行き止まりを作らないことだと思います。

防湿より調湿ですね。これから何十年も間ビニールシート1枚に負担かけるより、発泡ウレタンという巨大なスポンジに活躍してもらうという発想です。短い期間ではジメジメした雨の湿気が乾くまで、長い期間では真夏or真冬に溜め込んだ湿気が乾く間でしょうか。それまでの間はこのぶ厚いスポンジに調湿してもらおうという考えです。発泡ウレタンは「気密が取れて暖かい」というメリットの他に「ゆっくり透湿させる」というか「防湿シートを使わなくていい」という隠れたメリットがあるように思います。