たくさん悩んで新昭和

ウィザースホームで新築(2013年12月完成)しました。家づくりのことたくさん書いてます。

断熱性を高めても電気代は安くならない

断熱材が良いと暖かくなるイメージがあったんですが、断熱材はそもそも発熱しません。室内のエアコンや床暖房の熱が外へ逃げるのを防いでくれるだけです。新築の計画段階ではこの基本的なことを忘れやすいというか、HMの宣伝に惑わされて必要以上に断熱の仕組みにこだわっていました。以前は「断熱性をUPすれば暖かい家になる!電気代も安くなる!」などと思ったものですがそう簡単に目的は達成されないよ、というお話しです。

 

発泡ウレタン断熱はハンパない 

今や高気密高断熱は当たり前ですが、グラスウールが主流だった10年ぐらい前は結構大変な感じでした。今では発泡ウレタン断熱が主流なので昔に比べると簡単に高気密高断熱が出来るわけです。一般的なHMで建てるなら普通の家がすでに高気密高断熱ということになり、これ以上気密性や断熱性も上げる必要ないぐらい優れたものです。

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ちなみに2☓6と発泡ウレタン断熱の組み合わせはハンパないです。ただでさえ気密性高い躯体に発泡断熱材が密着してるんだから、気密性がありすぎる建物になっています。キッチン換気扇のスイッチを入れた途端ホールへのドアが重くなり、ドアと床の隙間からの吸い込み風もビュービュー聞こえてきて、穴ふさいだら窒息するんじゃないの?と思わせてくれます。温暖な千葉県なら2☓4と発泡ウレタン断熱で充分すぎると思います。

HMの中には内断熱+外断熱というダブル断熱とか売りにしてるところもありますが、節約したい人には過剰な装備です。一定の断熱水準は必要ですが、大金かけて投資しても電気代に跳ね返ることはないです。 

 

どんな家でも寒くはならない

計画段階では神経質になっているので勘違いしやすいんですが、どんな断熱材を使ってもどんな間取りでも寒くなることはないです。適所に暖房が設置されているわけでスイッチひとつで全て「暖かい家」になるというか、断熱材のないプレハブだってエアコン入れれば暖かくなりますね。もし寒い家が存在するとしたら部屋の大きさに比べ暖房が不足しているか、もしくは節約のためにエアコン我慢してるかのどちらかです。どんな設計にしても寒くならないということを前提にすれば、後は暖房機器が動いている時間だけの差になります。  

 

電気代は暖める空間の広さで決まる

断熱材も一定の水準を満たしていれば、室内の熱も簡単には放出されないです。普通の発泡ウレタン断熱でも1ヶ月1万円で済む場合もあるし、史上最高レベルのダブル断熱でも3万円以上になることもあります。どんなにスペシャルな断熱材だとしても広い空間を暖めるなら電気はたくさん使います。 

こうしたケチくさい話しはHMの営業マンはしないです。「断熱材が良いから暖かい」という宣伝文句はたくさん聞くけど、肝心な電気代については「住んでからのお楽しみ」という流れです。

ちばっしー家のリビングは14帖しかないので、エアコン入れてもすぐ暖かくなって自動で止まります。これが例えばダブル断熱だったとしてもエアコンの運転時間が劇的には変わらないし、冬場の電気代1万円(これがすでに最安レベル)が5千円になんかならないです。リビングの温度が低下するのは室内ドアの開け閉めによるところが大きいので、全館空調にしなければそこそこの断熱(発泡ウレタン断熱)で充分だと思います。

 

節約したい人は開放感を求めない

断熱材が良ければ吹き抜け作ってもいいでしょ?と思うかもしれませんが、節約したい人が吹き抜けやリビング階段にすると後悔しやすいです。

今現在アパート住まいの人は室内のドアを全て開放して試してみるのも良いかも。ひとつの部屋だけを暖めて過ごした電気代と、全て開放したときの電気代の差額がいくらになるのか。この差額だけは新築してもあまり変わらないと思います。

断熱材の役割は熱を逃がさないこと。たとえば断熱がイマイチな家で全館空調にしてしまうと電気代は無茶苦茶高くなりますが、断熱材が良ければ電気代はそこそこ高いという感じで、どちらにしても高いです。

節約したい人が吹き抜けやリビング階段にすると、いずれ人のいないところへ温風流すことに心痛めるかもしれないし、すぐ暖まらないことにイライラして階段入口をカーテンで塞ぐとか対策してしまうかもしれません。

 

日当たりと共にお金は降り注ぐ

光熱費は冬の時期が一番高くなります。ということは暖かくなる方法を突き詰めれば1年間の光熱費を抑えることが出来るわけです。暖房以外で唯一寒さを和らげるのは自然の恵み「日当たり」だけです。

間取りを考える上で動線は気にしても、日当たりは2の次になりやすいですが、実は日当たりが良いとエアコンの運転時間も短くなるので光熱費を下げるには打ってつけです。リビングにこだわらず一番長い時間過ごす部屋が望ましいかもしれません。ちばっしー家は日当たり良いおかけで昼間のエアコン動いてないです。

 

自分の光熱費レベルを知ろう

今まで1ヶ月の電気代1万円だった人が、新築後3万円になったらビックリしませんか?間取りを間違えたり、床暖房や全館空調等今まで設置してなかったモノを導入すると光熱費のレベルが変わる可能性があります。もちろん想定してる人なら問題ないんですが、これ知らないと大変です。

車の買い換えと一緒です。今までプリウス乗っていた人がクラウンに買い換えたとします。内装や乗り心地だけを見て買い換えたとしたら大変です。ガソリン代を含めた維持費に後悔したとしても後の祭りですね。ランチにも例えられます。いつもの定食屋をやめてミシュラン級のレストランに変えたとします。味や雰囲気だけで選んでいたら大変ですね。給料日を前にサイフが空っぽになるかもしれません。

車やランチは分かりやすいので後悔しないんですが、家となると見た目や雰囲気に流されてしまうというか、家で失敗すると30年は後悔することになります。

 

家づくりは理想と現実の戦い

「真冬でも家中半袖短パンで過ごしたい!」という人は断熱の優れたHMで全館空調や全室床暖房をやるべきですが、節約したい人には個別空調で「スエット上下ぐらい着ようよ」と言いたいです。逆に考えると「電気代が1/3だからラッキーだよね」という感じです。

理想を追い求めると建築費はUPしていくし電気代もUPしていきます。でもよくよく考えるともっと他にも大切なことがあるというか、家づくりは「ほどほどの快適に留める為の戦い」だと思います。

浮いた電気代はいくらでも使い道があるので、節約したい人はすごーーく考えたほういいです。HMのモデルルームに惑わされないように!