たくさん悩んで新昭和

ウィザースホームで新築(2013年12月完成)しました。家づくりのことたくさん書いてます。

ほんとは怖い住宅ローン2

このブログでたくさん読まれてる記事の中に「ほんとは怖い住宅ローン」があるんですが、家づくりは楽しいことばかりじゃないよね、ということで続編です。前回はローン返済以外にも色々経費がかかってくるので、身の丈以上の家を購入すると破綻するかもよという記事を書きましたが、今回はずばり破綻しやすい人たちの特徴をまとめてみようと思います。こちらが前回書いた記事です ↓


家の性能にこだわりすぎてしまう

家づくりでQ値やC値にこだわる人は多いと思います。もちろんこれらの数値は良いに越したことはないんですが、ちばっしーはあまり重要視してません。というより重要視出来るほどの予算がなかったというのが正直な話しです。でも2☓6の厚みに発泡ウレタン吹付け断熱なら悪い数値にはならないだろうと思っていました。実際住んでみて分かったことですが、電気代が古い家の半分以下まで圧縮出来たので満足を通り超えて夢のような結果となりました。

高性能を売りにするHMの建築費はものすごく高額です。ある程度の数値までは技術革新(発泡ウレタン断熱等)で容易にカバー出来ますが、それ以上の数値(例えばQ値1.0W/㎡・K以下とか)を出すためには施工出来るHMは限られてくるし、建築期間&コストも大幅にUPします。たとえば70点合格というテストがあったとして90点まではラクに取れるようになったけど、95点以上は死ぬほど大変という感じです。もちろん90点でも夢のような生活が出来るんですが、さらに満点を狙いにいく人は限られた人たちだけですね。ローンが心配な人は狙っちゃいけないと思う。

大金投じて超高性能を手にしても庶民には過剰スペックというか、一生かけても電気代でペイすることなんか出来ないです。我が家の真冬の電気代1万円ちょっと(これがすでに激安)ですが、これが例えばQ値やC値がものすごく低かったとしても5千円になんかならないです。

これが住む前はイメージしにくい訳です。数値が少しでも悪いと欠陥住宅のように思えてくるというか、まずはどんな家でも70点クリアしてることを踏まえて後は予算次第ですね。予算も考えず最初に95点を見てしまうと後が大変というか、そもそもお金もないのに超一流の家に住みたがる欲求は果てしないもんです。生活費を削ってまで性能を追いかけるメリットは全くないと思います。

 

庶民なのに豪華な設備を選んでしまう

HMの宣伝は巧みです。あの手この手でたくさんお金を持っていこうとしますが「全館空調や全室床暖房にすると電気代が安くなる!」という宣伝に騙される人も多いと思います。厳密には建築費が大幅にUPするんですが、それに加えてランニングコストもUPします。よく「個別空調と比べると○○円安くなる!」という一例があるんですが、比べる条件が偏ったものが多いです。家族がリビングにいるとき、普通は人のいない部屋のエアコンは消しておくものなのに、全て付けっぱなしのような条件が多いです。

あとヒートショックで脅してる宣伝も見かけますね。建て替え寸前の古い家とかならまだしも、今どきのユニットバス&断熱性能なら警戒するような温度差にはならないです。宣伝を鵜呑みにすると「ヒートショック対策しないと寒い風呂」という流れから「お風呂にも床暖房入れなきゃ!」となりやすいんですが、実際は家の気密性が良いので外との気温差なんて大したことないし、今どきの風呂の床はひんやりしないようになっています。どうしても心配という人は入浴前にシャワーで床を温めるとかで充分ですね。

でも宣伝というのは厄介なもので、全館空調や全室床暖房の家を見学してしまうと、それ以外の普通の家が眼中に入らなくなるかもしれません。これにコロリとやられてしまうと返済がキツイ&光熱費も高い&修繕費なんて払えない!という三重苦になり兼ねないし、節約しようにも節約しにくい家になると思います。


庶民なのに有名大手HMで建ててしまう

個人的には一番破綻しやすい人たちだと思っています。大手HMで建てられる条件は2種類あって年収が多くて貯金が多い人たちか、親族の援助がハンパない人たちです。これ以外の庶民は時間の無駄なので見にも行かないんですが、たまに吸い寄せられてしまう人たちもいると思います。大手HMの欠点は「良い家すぎる」ところだと思っていて、庶民にとっては過剰スペックになります。しかしながら一度中身を見てしまうと「木造なんかイヤ!鉄骨じゃなきゃ!」となってしまうのかもしれません。
冷静になれるのは5年後か10年後か、子供の養育費が圧迫してきてローン返済が苦しくなってきた頃に「何でこんなにお金かけてしまったんだろう」となるのかもしれません。

ちなみに大手HMのすごさは10年後や20年後にも影響してきます。某掲示板で盛り上がっていたんですが、新築契約時に営業マンへ10年点検費用について質問したところ100万円と言い、5年後のメンテナンス担当者は「営業さんの何かの間違いでしょ。150万円以上はします」と言い、実際10年たったときの見積もりが250万円だったという話しで、「そうそう。うちも同じように言われた」という流れで盛り上がってましたw たぶん延長補償がからんでるんだろうと思いますが、大手HMは建てた後も大金が出っぱなしです。個人的には3,000万円以上の家を購入しておきながら、外壁塗装に頭を悩ますというのが意味が分からないですw

 

破綻しやすい高額所得者

高額所得者は色んなリスクが高いです。若い頃は「お金持ちはきっと優雅に暮らしてるんだろう」なんて思ったりもしましたが、世の中ラクして稼いでいる人なんていないですね。みんな綱渡り状態で働いているというか、ひとつ間違えば転落してしまう人も少なくないです。4,000万円とか5,000万円とかローン組んでいた場合、例えばうつ病で戦線離脱すると一貫の終わりです。再起を賭けようにも返済額高すぎですね。

ちなみにちばっしーの兄も高額所得者です。超大手企業の部長さんなので年収ウン千万円ですが、家は42坪1,800万円で建ててマイカーも軽自動車です。口癖は「たまたま課長になっただけ」とか「偶然部長になっただけ」とか「良いのは今だけ」と言い続けていますw ほんと偉い人です。

 

深く考えず2,000万円以上のローンを組んでしまう

家を買う平均年齢を40歳前後で平均所得450万円とした場合、およそ2千万円が限度だろうと思います。それ以上借りてしまうと定年後も返済しなきゃならないし、住宅ローン以外にもたくさんお金がかかるのでシンドイと思います。「私は年収1000万円だから余裕」という考えも危ないです。今やものすごいスピードで時代が変わっていくので、今やってる仕事が10年後も需要があるとは限りません。肝心なのは倒産したりリストラされても何とかなる返済額(全国の平均年収)に設定することだと思います。

 

良すぎる家は不幸の入口

ローコストで建てた人たちは破綻しないです。総額2,000万円以内で新築出来れば家賃並みに返済出来るので、世の中が激変しても無理なく生活出来ると思います。破綻する人の多くは大手HMで建てた人たち、自然素材をふんだんに使った環境にやさしい家を購入した人たち、もしくは高機能&高性能(Q値やC値を売りにする)の家を購入した人たち、さらには他に類を見ないデザインを重視した人たちで、世の中こうした高級な家を買った人たちだけが破綻するようになってます。

車に例えると「毎月レンタカー借りるよりマイカーにしたほうが得だな」と思って、車を買いに行ったらいつの間にか高級車買おうとしてない?ということ。コンパクトカーをレンタルしていたなら、やはりコンパクトカーを購入しないと破綻する確率がグンと上がります。「良い家」と「幸せ」は別物と割り切って、身の丈にあった予算設定が全てだろうと思います。