たくさん悩んで新昭和

ウィザースホームで新築(2013年12月完成)しました。家づくりのことたくさん書いてます。

東京オリンピック問題から学ぶ家づくり計画

家づくりで一番重要なことは、間取り?耐震性?それとも気密性や断熱性能?はたまた自然素材? これから新築しようとしている人には色々な要望があると思いますが、ちばっしーが最も重要視するのは「お金」です。

予算が決まらなければどのHMで建てるとか、耐震性や自然素材とか何一つ決められません。家づくりに苦労するほとんどの人はあいまいな予算で探し始めるので、ひとつひとつ選択していく過程で重いストレスを抱えることになります。

今の東京オリンピック計画も全く同じパターンで、当初の予算8,000億円が3兆円まで膨らんでいるにも関わらず、各競技場の経費削減で乗り切ろうとしています。TVではボート・カヌー場の見直しで騒いでいますが、仮に100億円削減出来たとしても一体何個の施設を経費削減すれば2兆円以上減るんでしょうかw

これ家づくりに例えると簡単ですね。当初2,000万円の予算で設計したはずなのに見積もりが7,500万円にふくらめば、普通は怒って良いレベルというか、ここまで嚙み合わなければ違う設計士さんにお願いすると思います。それなのに床材は無垢を諦めて50万円削減とか、屋根は瓦からスレートにして40万円削減とかw そんな枝葉をいくら盛り込んでも意味ないことぐらい誰でもわかると思います。

オリンピックは金額が大きいので分かりづらいんですが、リオで8,000億円、ロンドンで2兆円なので、おそらく日本も2~3兆円ぐらいが相場なんだろうと思います。当初の予算はプレゼンに勝つための出まかせ(途上国並みの人件費で算出)なんだろうと思います。今の混乱を収めるには総予算をハッキリ打ち出したほうが良いと思う。仮に2兆5千万円とするなら競技場見直し自体が無くなりもっと現実的な話しに進めると思う。

家づくりにおいては、このオリンピック計画の混乱から多くを学べると思います。予算があやふやだと気苦労が増えるということ。普通に生きてるだけで大変(仕事・家事・育児)なのに、家づくりで余計なストレスを抱えると発狂するかもね、ということ。

どんな誘惑や横ヤリが入っても手綱(予算)だけは離さないこと。これが多くのストレスを減らし後悔しない家づくりへ近づけるたったひとつの方法です。

 

予算の決め方

耐震性や気密性を問う前にやらなきゃならないのは予算設定です。予算を決めれば見積もりをお願いするHMも決まるし、具体的な仕様も決まります。そこで初めて数社比較して自分好みに合わせていくことになります。

予算の決め方は毎月の返済額が元になるんですが、返済額に加えて税金やら修繕費の積み立て等入るので、少し低めの設定にしておいたほうが良いです。

仮に利率1.5%、返済期間25年とした場合、毎月の返済8万円なら借入額は2,000万円、返済10万円なら2,500万円、返済12万円なら3,000万円という試算になります。一番大事なのは施主の収入なんですが、年齢によっても返済期間が変わるので無理なく返せる金額に設定したほうが安全です。

たとえば今払っている家賃が10万円だからローン返済も10万円にしよう!と安易に考えるのは危険だったりします ↓

tibassyi.hatenablog.com

 

予算は大きく分けて4パターン

個人的にHMを回った経験から建坪35坪ぐらいなら1,500万円、2,000万円、2,500万円、3,000万円以上の4つのグループに分けられます。この予算は家にかかる総予算なので、土地を購入する人はこれに上乗せすることになります。

35坪 1,500万円クラス

アイダ設計、一建設クラスなら35坪総額1,500万円以下で建てられると思います。センチュリーホームやタマホームは少し上がって1,600万円ぐらい、広島建設アキュラホームや桧家住宅は1,700万円ぐらいが普通かなと思います。35坪なら1,500万円~2,000万円までの層が一番多いような気がするというか、この価格帯で競争しているHMや工務店が一番多い感じがします。なのでこの価格帯で狙ってる人は、もっと細分化させてグループ分けしても面白いかも。

35坪 2,000万円クラス

ここがちばっしーの予算です。当初、広島建設で外壁総タイルにしようとしたら2,000万円超えたので、標準で外壁タイル仕様だった新昭和に見積もりしてもらったら1,900万円だったという流れです。でも新昭和の中でも安い商品じゃないと無理ですね。各HMも商品ごとに価格が変わってきます。

35坪 2,500万円クラス

2,000万円超えるとローコストじゃなくなります。2,500万円以上出せれば一条工務店セキスイハイムといった有名なHMの安い商品に手が届くようになりますね。2,500~3,000万円という価格帯はローコスト側の上位版と、大手HMの廉価版が重なるゾーンになります。

35坪 3,000万円以上

これはもうガラリと次元が変わります。大手HMの価格帯というか、三井ホーム等高級HMは4,000万円ぐらい必要ですが、まず庶民には手が届かないと思います。収入の多い人か、親からの援助の多い人だけが選べるグループになると思います。

 

これらのグループはちばっしーが勝手に作ったものですが、実はこのグループ差で最終的に悩むことになると思います。同じ価格帯で悩むというより、安い車のオプションをテンコ盛りにするか、高い車のオプションゼロにするかという感じですね。

家も車もウマイ具合に出来ていて安いグレードにオプションたくさん付けるぐらいなら、いっそ高いグレードにUPしたほうが安心確実だったりします ↓

tibassyi.hatenablog.com

 

そもそも漠然とした予算では必ず高い価格の家のほうを選んでしまいます。

家の価格は正直に出来ていて高い家は例外なく良い家となります。悩める人ほど後悔したくないと思うはずで、営業さんにすすめられるまま高い家のほうの契約書にハンコを押してしまいがちなんですが、高くて良い家が施主の幸せにつながるかどうかは別問題となります ↓

tibassyi.hatenablog.com

 

欲望の嵐を止められるのは「予算」だけ

予算があいまいなまま枝葉の話しをしていても、オリンピック施設選びのように遠回りするだけです。かえってストレスを増やすだけですね。昼食代1,000円と決めたら何が何でも1,000円以内です。 特別メニューがデザート付いて1,200円!(本来700円もする高級プリンが昼だけ200円)でもダメです。

予算を超えるものはどんなに魅力的なものでも、この世に存在しなかったことにしてしまいましょう。悩む人の多くはプリンに意識を取られて、得なのか損なのか考えすぎて疲れてるんだろうと思います。

家づくりおいては特にお金より先に夢を描くと大きなストレス(理想と現実とのギャップ)に苦しむので注意しましょう。

 

収入によって必要十分な価値観が見えてくる

オリンピック予算も早々に現実的なものにして、利便性の良い場所に立派な施設を作ったら良いと思います。そもそもコンパクト五輪だったはずなのに地方でやるとか、しかもケチった施設なんか作って恥かくぐらいならやらないほうがマシですね。

家づくりと一緒で、オリンピック予算も収入によってバラツキがあるのは当然だと思う。東京は都市別GDP世界一位のお金持ち(ロンドンの2倍の収益)なのにリオ並の予算って・・リオ並の予算では吉野家でディナー後カプセルホテルみたいなもんです。せっかくのハレの日ならせめてロンドン並みの予算をかけて、ゆっくり食事して静かな宿でオモテナシされたいよね、ということ。

これが見えないと「リオ並の予算でロンドンクオリティしてほしい」という暴論が生まれるというか「888万円で三井ホームに住みたい!」と言ってるようなもんです ↓

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オリンピック問題も今の足踏み状態から早く脱してほしいもんです。先進国の平均的な予算の中で日本らしいオリンピックにして「世界よ、これが東京!これがジャパンクオリティだ!」というのを見せつけてほしい。アスリートファースト、レガシー、経済効果どれを取っても間違いないと思う。

家づくりも全ては収入によって決まります。返済能力のあまり高くない人は無理して(生活を壊してまで)注文住宅にする必要なんかないです。どんな誘惑や横ヤリが入っても郊外の建売住宅や中古住宅、借家だって一番良い家となるはずです。

裕福な人は有名建築家に頼んで思う存分お金かけて庶民をアッと言わせてほしいし、全くお金ないけど山の中で暮らしてるっていう人は自作でバンガロー作ったって良い訳です。HMの口コミがどうとか、C値やQ値がどうだとかは二の次 三の次の話しです。